発想を引き出すオフィスに向けて、物理空間をハックしよう

編集:三橋ゆか里

今回は、AQがAQ流の仕事をするために欠かせない5つのオフィスハックをご紹介します。

どうしても、スペックの高いPCなどデバイスにお金をかけてしまいがちですが、その周辺の環境にも気を配ること!ノートやペン、座る椅子まで、物理空間でちょっとした工夫をすることで、クリエイティブなマインドが集まる場所が、より楽しく快適な空間となります1

1.持ち運び可能なホワイトボード

ホワイトボードはオフィスの必需品です。ミーティングの人数に関わらず、一目で内容を共有できますし、画面でテキストを追うよりも、スケッチする方がより豊かな発想が生まれます。AQのオフィスには、大きなホワイトボードが数枚あります。

ポイントは、固定のものではなく、移動しやすいポータブルのものであることです。通常はミーティングスペースに設置してありますが、ソファエリアや自席の近くに持ち出して、個人作業や2-3人の議論のアイテムとして使っています。

一時的に、テーブルの上にホワイトボードを並べてみました

2. 共有スペースの掲示板

AQのトイレには、コルクボードの掲示板が設置されていて、展示会やイベントのチラシ、ステッカーから、避難時の案内までさまざまな情報が掲載されています。掲示板は廊下などに設置されているケースが多いようですが、よほど興味がない限りわざわざ立ち止まってまで見てくれません。でもトイレなら、必ず見てもらえます・・!

掲示板はみんなの共有物なので、お知らせがあれば誰が何を貼ってもOK。コルクボードが狭くなってきたら、期限が切れたものを適当に破棄していきます。AQには、Heyheyという社内のメーリングリストがありますが、この掲示板はそれを物理的にしたものとも言えます。展覧会の案内がいろいろとオフィスへ送られてきますが、素敵なチラシやポストカードであることが多く、それをゆるく全員と共有する良い方法です。

3.すべての部屋にアダプターを

アダプターや蛸足などは、各部屋に常備しておくこと。ミーティングの部屋が変わる度に取りに行ったりする手間が省けます。地味な「ハック」ですが、案外効果があります。

4.持ち運びできるツールセット

逆に、持ち運びできるようにしておきたいのは文房具セットです。一言で文房具といっても、会社もしくは人にはそれぞれ、好きな色や好きなペン、好きなブランドなどがあります。テープひとつをとっても、ここのがいいという好みがあるでしょう。すごく好きなツールをまとめて持ち運べるようにしておくこと。ブレーンストーミングやスケッチが予定されている場合は、クライアントのオフィスにでも持っていきます。社内外でワークショップをする機会が多いのですが、その準備を楽にする手段の一つでもあります。

いざホワイトボードに書こうとしてみたら、マーカーのインクがなくて書けないなんて経験はありませんか?いずれ使うことになるのですから、一度に何箱か買ってしまう。快適に、話をすることに集中できる環境をつくりましょう。

5.専用のプロジェクトルーム

始動したばかりの方向性をまとめる段階にあるプロジェクトには、専用の部屋を設けることがあります。ホワイトボードや前回のミーティングで使った素材などがすべて置いてあり、その部屋に入ったらそのプロジェクトだけに専念する。気持的また頭のスイッチもオン・オフしやすくなります。

プロジェクトに丸々部屋を用意できない場合は、プロジェクト専用の壁スペースでも良いでしょう。壁のいいところは、プロジェクトメンバーではなくても、いま起きていることを把握できる点です。プロジェクトの進行を社内定例で耳にするだけではなく、デザインのカンプなどを通じて視覚的に把握することによって、客観的な立場だからこそ出る素朴な疑問や気づきがヒラメキにつながることもあります。

プロジェクトルーム

脚注:

1. 余談ですが、クライアントはポストイットの中でも海外製の蛍光色のものを好む人が多いようです。日本製のパステルのポストイットは普段使いしているため、蛍光色の方がクリエイティブなスイッチが入るのかもしれません!